バ乙12節のデータドラマ

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バ乙12節のデータドラマ

数字は嘘をつかない

10年間、試合記録を予測モデルに変換してきた私が言う。このセリエBシーズンはまさにデータの宝庫だ。第12節までに60試合が行われ、近年最多級の均衡した展開が続いている。明確な優勢チームはなく、僅差での競争と堅守が特徴。平均得点は1.83と、プレミアリーグさえ下回る低調さ。

予想を超えた瞬間

7月30日、ゴイアス対レイマオ戦。終了間際の1-1同点劇は必然と思われたが、レーマオは前半からのシュートオンターゲットがわずか1本(遠距離ヘディング)だったにもかかわらず同点に。私のモデルも見過ごした混沌の証拠だ。

7月7日、ヴィーラ・ノヴァ対コリンチャンス戦も衝撃的だった。xG(期待得点)は同一なのに、ヴィーラ・ノヴァは5対8でシュート数を上回られながらも2-0勝利。ベイズモデルでは±0.4ゴール以内の引き分けを予測していたが、現実は完全な守備力の過剰発揮だった。

これは個別の出来事ではない――パターンなのだ。

防御重視こそ正義?

率直に言えば、ここでは華麗さではなく『リスク回避』が命。 クリシウマやアヴァイ、ゴイアナなど多くのチームが低圧力(平均37%)、ロングボール中心(42%以上)、高いディフェンシブライン安定性(ゴールから+4m)で成り立っている。攻撃よりポイント獲得こそ最優先だ。

効果がある:トップ4チームがわずか3ポイント以内で拮抗しているのに加え、唯一攻撃面で優位なのはミナスジェライスFC――カウンター成功確率63%という驚異的な数字を誇る。

だがもし「ポゼッションだけで勝敗を決める」と言うなら? 間違い続きだろう。 データはスタイルではなく『圧力下での実行力』だけを見抜くのだ。

次節注目すべき一戦とは?

  • セルジペ対アトレチコ・ミネイロ:トップ4同士だが攻撃型vs超防御型という対照的スタイル。高 stakesゲームで『攻撃』と『構造』どちらが勝つのか見極めよう。
  • ブラガンティーノ対ジュベントゥード:ジュベントゥードは好調期入りとの予想だが、ブラガンティーノはxGでは強いにもかかわらず成績不振→ベッティングモデルにとって潜在的な逆転ポイントあり。
  • パイサンドゥ対コリチバ:過去にはコリチバの一騎当千だが、今年のセットプレー成功率67%というパイサンドゥの強みを見逃すな——もう一つのデータ上の優位性だ。

最後に:それでもフットボールは人間である

私は毎日Pythonスクリプトを使い結果を予測するし、パンドイトよりも回帰木信頼する。でもなぜボール触りも少ないチームが補欠時間に二得点して逆転するのか? それはアルゴリズムでは説明できない——それがフットボールの魔法だ。 表計算ソフトには『ありえない』と書かれているはずなのに……フィールドでは『可能』だと叫んでいるのだ。

AlgoSlugger

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