巴乙のデータ真相

数字は嘘をつかない
MLBやNBAでのスポーツ予測モデル経験10年。だがブラジル・セリエBは、予測不能さと数学の融合地だ。2025年6月~7月の30試合で見られたのは、ゴールだけではない。混沌の中に浮かび上がったパターンこそが鍵。
19:00から04:35まで、すべての試合時間をデータベースに記録した。遊びではなく、正確性のために。
パワー変化と無声の敗因
第47戦、ボルタ・レドンド対パラナ・アスレチック(3–2):最後のゴールは確かにドラマチックだったが、本当のポイントは後半からの圧力パス数が68から89へ急上昇したこと。状況に応じた戦術変更の証拠だ。
一方、コリティバはホームで3試合クリーンシートを達成したが、4試合中すべてセットプレーから失点。オープンプレーではしっかり守っていたのに…。
運ではない。モデル化可能な欠陥なのだ。
ホームアドバンテージの逆説
このラウンドではホームチームが17勝したが、そのうち1得点差勝利は8試合のみ。さらに驚きなのは、ホーム勝利チームの平均xG(期待得点)は-0.4という「期待外れ」だったこと。
つまり、チャンスを作り損ねながらもぎりぎり勝ち上がっているのだ。
セリエBとは、「圧力下での生存」である。
アンダードッグ勝利の統計的構造
最も驚くべき結果? ゴイアス対クリチウマ(1–2)。ポゼッション57%、シュートオンターゲット6対3と優位なのに負けた理由は何だろう?
cs:失点後にパス精度が86%から71%へ低下—精神的疲労か守備パニックが起きた証拠だ。
それに対してアマゾナスFC対ヴィラノヴァ(2–1):シュート数わずか6本だがカウンターで2つの決定機を演出。その際のトランジション成功確率はリーグ平均より+48%高い。
データには感情はない—構造だけを見ているのだ。
次への示唆:あなたの予測モデルは間違っているかも?
今後の注目カード、アトレチコ・ミネイロ対アヴァイやレモ対ゴイトァカズに向けて…
- ハーフタイム時点でxG差>+1でも、守備崩壊リスクあり→注意必須
- シュート数<6だがトランジション効率>45%なら注目すべき潜在脅威だ
- アヴァイに注目! 上位勢との連続引き分け5戦中、平均シュート数0.9以下—これは disciplined patience(冷静な戦術)か? それとも崩壊前の静けさか?
このリーグには逆説が多く存在する——それが美しい所以だ。
もしあなたも「スタイル」ではなく「実態」でセリエBを見ているなら…あなたはすでに私の考え方に近づいている。
AlgoSlugger
- ユベントス対カサ・スポーツデータアナリストとして、プレミアリーグのパス分析から戦術神経回路まで追跡。2025年クラブワールドカップで対決するユベントスとカサ・スポーツの真の勝負は、数字以上のもの。大陸と哲学の衝突を、xGと防御力で解き明かす。
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