チャンピオンズリーグ4年1度

稀少なチャンピオンズリーグの可能性

8年間プレミアリーグクラブの予測モデルを構築してきた私は、xGやプレッシャー強度、疲労指数から試合結果を予測する研究をしてきました。しかし最近は、より仮説的なテーマに注目しています：もしUEFAチャンピオンズリーグが毎年ではなく4年に1回の大会になったら？

確かに聞いたことない発想ですが、データ視点では決して非現実的ではありません。

数理的にも成り立つ理由

近年、『チャンピオンズリーグ疲れ』が深刻化しています。1992年以来31人の優勝者が出ましたが、一方でEUROは1996年以来3カ国しか優勝していません。Deloitte調査によると、連続シーズンでの準々決勝戦の観客数は最大18％低下しており、視聴者の飽和状態が明らかです。

またスケジュール上の隙間があります：

• 2025年：FIFAクラブワールドカップ（新フォーマット）
• 2026年：ワールドカップ（全球）
• 2027年：欧州主要クラブ大会なし？
• 2028年：UEFA EURO
• 2029年：再びクラブワールドカップ

この空白期に、UCLをヨーロッパ最大級のバイエンニアルイベントへと再設計できる可能性があります。

稀少性による心理的価値向上

これは単なる日程調整ではなく、認知心理学にも通じます。『希少性』は価値感を高めるのです。 オリンピックのような瞬間は日常より情熱的になるのも同じ原理です。もしUCL優勝が毎年の目標ではなく4年に1度だけというなら……すべての予選戦に意味が生まれます。 ドラマチックさが日常化せず、儀式的な存在へと進化します。国際大会と同じように扱えるようになるかもしれません。

そして正直な話、多くのクラブは国内順位に関係なくUCL予選では最強メンバーを出陣させています。ならばそのステークスをさらに高めても良いのではないでしょうか？

問題点？選手負担とグローバル日程との衝突

もちろん現実にはハードルがあります。最も大きな課題は重複する競技スケジュールと選手負荷です。 たとえばブラジル代表の中盤プレーヤーが6～7月にコパ・アメリカに出場し、その時期にUCL準決勝がある場合——怪我や疲労リスクは飛躍的に上昇します。Optaデータによれば長期間トーナメント参加時、フィジカル性能は平均で約14％低下します。 またトップ5以外のリーグクラブにとっては毎年の出場機会喪失で収益不安定化も懸念されます。弱小国との格差拡大も避けられず、イギリスEFLチャレンジープレーポフ変更のように支援策が必要になります。 これらは小さな改善ではなく構造改革です。現在ない協調体制が必要ですが——でも夢を見るのは悪くないでしょう。